稲毛海岸三丁目団地の歩み
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その軌跡を振り返る
 1968年(昭和43年)に創立された当団地は、本年で創立50周年を迎えました。昨今コンクリート造りのマンションは、100年は充分に持つと言われ、各方面で100年マンションに向けての修繕・改修方法の見直しが議論されています。その視点から見ますと、50年は正に折り返し点に過ぎないとも言えます。
また、近年若い人達の平均寿命は100歳時代が到来すると言われ始めました。その意味で50周年は極めて意義深い節目でありますが、一方居住者の高齢化と建物・設備の高経年化と言う二つの老いが同時進行する現状の問題に確りと対応して行かねばならない重要な時期と思います。そこで当団地の過ぎ越し50年間の軌跡を振り返って見ていきたいと思います。
●1968年~1987年
 総面積約84,000㎡(25,450坪、戸当り平均33坪)の平地の地権を持つ広くて良好な環境の団地は、当時高度成長を支える都市の新中間層にとっては垂涎の的でした。団地の古いアルバム(記念誌)には、生まれも育ちも違う人々が縁あって集まり住むことになり、お互いがスキンシップを通して懸命に連帯を深め、団地を自分達の手で「新しい故郷」に、終の棲家としよう、とコミュニティ活動に勤しむ姿が残されています。
1969.05第1回管理組合通常総会開催。
早々と老人会「さつき会」が、さつきの花が真っ盛りの時期に発足。
1970.07自治会創立総会開催。
1971.04第1回大運動会開催される。
1971.11第1回文化祭(自治会主催)開催。
1972.07第1回団地祭が開催(コミュニティ形成に向けて、協賛して開催)。
1976.03第3集会所が完成し自治会活動の拠点となる。
1977.07全国初の外壁塗装工事開始(各地から視察ラッシュ)。
1978.06団地内や地域との活性化に向け「稲三クラブ(ソフトボール・クラブ)」が誕生。
1983.06水道で発生した赤水対策問題で合同対策委員会が発足。
1984.05自主防災会が発足。
埋め立て前の稲毛海岸(クリックで拡大)
埋め立て前の稲毛海岸(クリックで拡大)
団地の先はまだ海でした(クリックで拡大)
団地の先はまだ海でした(クリックで拡大)
●1988年~1998年
 築20年を機に、赤水問題に端を発した建て替え計画が「全員合意」の基での挑戦が始まった。しかし、時のバブル経済に翻弄され、土地神話に寄り掛かった建て替え計画案は、バブル経済の崩壊と共に挫折しました。
1988.11駐車場・駐輪場大増設完了。
1989.05団地の管理を棟別管理から全体管理(修繕費積立金一本化)移行を検討。
1990.05通常総会で「建て替え準備委員会設置」を決定。
1991.10臨時総会で専有面積の1.5倍を無償で等価交換する建て替え計画案97%で承認し、建て替えに向け「建て替え推進委員会」が発足。
1991.10修繕費積立金の収納方法変更(修繕が団地全体管理に移行を決定)。
1992.05藤和・フジタグループをデベロッパーに選出し建て替え計画を推進。
通常総会で専有面積の1.2倍を無償で等価交換する取得案93%で承認。
1995.11ディベロッパーから「2年間の中断」を申し込まれる。
1995.12臨時総会で「中断」を拒否、建て替え計画は白紙となる。
 建て替えの夢醒めやらず、全員合意方式から区分所有法(全体・棟毎で4/5以上の賛成) に依る建て替え方式に変更して再挑戦する。
1996.11臨時総会でRIAをコンサルタントに選定して建て替えに再挑戦する決議案が88.3%で承認された。
1998.05建て替え計画「マスタープラン」が90%で詳細計画立案推進を承認。
●1999年~2008年
2000.05区分所有者集会開催。
敷地2/3を売却し、1住戸平均250万円の負担で同等の専有面積を取得できる案が提示された。この案は、全体では、82.3%の賛成を得るも、棟別では4/5に達しない棟が8棟あったがため不成立となった。
 1989年から始まった足掛け12年に及ぶ建て替えへの挑戦は、これで終止符を打った。
 以降、建て替え推進で修繕を控えていた部分の修繕工事が急ピッチで行われました。
2001.06管理費・修繕費積立金改定。
2001.09建て替え推進により手を付けられなかった植栽関係にボランティア組織の植栽愛好会が発足。翌年には植栽会に組織替えし拡大。
2001.10建て替え準備事務所を改修して「談話室」として開設。
2002.07共用給水管改修(専有部分はオプションで実施)。
2004.05国交省の標準管理規約に沿った「稲毛海岸三丁目団地管理規約」が制定。
2004.09第2回大規模修繕工事(外壁・鉄部塗装、ベランダ防水等)開始。
2007.12雑排水管更新工事実施。
2008.05「団地再生委員会」が発足し団地の進むべき将来の検討に着手。
盛土に埋もれ始めた標石(クリックで拡大)
盛土に埋もれ始めた標石(クリックで拡大)
第2回大規模修繕工事(クリックで拡大)
第2回大規模修繕工事(クリックで拡大)
●2009年~2018年 ―50周年に向けての取組―
 2009年1月築40年の節目を迎えるに当って、団地の再生の方向を「修繕・改修」で進めるか、再度「建て替え」か、将来を決める団地再生アンケートが次の両案で行われました。
【修繕・改修】今後30年間を安全に住み続けるための「新・長期修繕計画(案)」を提示し、修繕費積立金を(平均50%の値上げ)4,000円/月値上げ。
【建て替え】還元率60.2%、平均70㎡(14階建)、高齢者用住宅40㎡100戸建設。

大規模修繕を終えて輝きを取り戻した団地と草花(クリックで拡大)
大規模修繕を終えて輝きを取り戻した団地と草花
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 アンケート結果は、建て替え賛成57.2%、修繕 42.8%と建て替え派が優勢となった。
 理事会でこれを分析した結果、建て替え派は賃貸に出している外部組合員に多く、78.4%が賛成、修繕派は永住を希望する内部居住者に多く51.6%が賛成している。このことから永住を希望する内部の人たちの意向を重視。また、「建て替え推進決議」に必要な75%以上の賛同を得るのは難しいと判断し、「建て替え」から「再生」に舵を切ることに決定しました。

 2009年5月通常総会に、我々の団地の将来を決める、修繕で築70年を目標とする「新長期修繕計画」と資金の裏付けとなる「修繕費積立金を平均4,000円/月値上」する案を上程し承認され、これで修繕と改修で長寿命マンションを目指す方向が定まりました。

 この計画も2011年に起きた東日本大地震で被った液状化被害により、新たに給排水管設備の修復工事が発生し、計画した工事の大幅な変更を余儀なくされました。
 そこで2016年度に実施予定の第3回大規模修繕工事に備え「長期修繕計画の見直し」を計った。この見直しの中心は、適時適切な修繕と改修で快適な住環境を作り、築80年を目指して若い世代を呼び込み、世代交代を進める住環境を整えることに資金を集中することにしました。
◎2016年1月、臨時総会を開催、大規模修繕工事に併せて窓サッシを高性能な複層ガラス(Low-Eガラス使用)で透明一枚ガラスに更新、玄関扉も対震枠を備えるもので更新する。この費用総額11億1,500百万円は修繕積立金では足りず、不足金を一時金で徴収することや、修繕積立金の値上げを回避するため、住宅金融支援機構から6億円を借入れて(金利8年間の固定0.77%)実施することを提案し、承認されました。また、これ等の工事は、専有部分に立ち入って行う必要があり、室内の片付け等で高齢者世帯には手助けが必要となることで、「お助け隊」を組織して支援しました。この組織は後の高齢者を支援する「稲三サポートの会」に発展させることで、解散しました。この工事は以降の住環境の改善に大きく寄与し、室内の冷暖房効果、遮音性・気密性の大幅な向上をもたらしました。
◎2017年4月、大改修の次のステップとして、高齢化に伴い増える空き家対策の一環としてNPOちば地域再生リサーチ、日本総合住生活㈱と組んで、「空き家対策事業」の推進に乗り出しました。これは空き家をDIYやリノベーションし、魅力ある賃貸住宅として若い世帯に貸出すというもので、団地居住者の世代交代を促す仕組みとして定着させて行こうと思います。
ドローンで空撮された稲毛海岸三丁目団地(クリックで拡大)
ドローンで空撮された稲毛海岸三丁目団地
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第ドローンで空撮された稲毛海岸三丁目団地(クリックで拡大)
ドローンで空撮された稲毛海岸三丁目団地
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